<校長室の窓> マルトリートメント
- 公開日
- 2017/12/19
- 更新日
- 2017/12/19
勝川小学校
保護者の皆様へ
友田明美著『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版新書)が、
今、とても注目されています。
友田先生は、この4月より日米科学技術協力事業「脳研究グループ」
共同研究日本側代表者です。
アメリカ側は、ハバード大学などの教授が名を連ねます。
友田先生の研究によると、
子どもの脳は、過度なストレスによって、「物理的」に傷つくそうです。
友田先生の研究グループでは、
強者である大人から、弱者である子どもへの不適切なかかわり方を、
「虐待」とは呼ばずに、
「マルトリートーメント(maltreatment)」と呼んでいます。
「言葉による脅し」「威嚇」「罵倒」「無視」「放っておく」
「子どもの前で繰り広げられる激しい夫婦喧嘩」なども、
マルトリートメントとみなされます。
「お前なんか生まれてこなければよかった。」
「本当に何をやらせてもダメだ。死んだ方がましだ。」
といった、子どもの存在そのものを否定するような言葉。
ここまでの暴言ではないにせよ、
「バカだ」「クズだ」と、罵った言葉を、ついに口にしてしまった…。
ということは、よくあることだと思います。
きょうだいを比較し過ぎるようなことでも、子どもは傷つきます。
例えば、兄の成績を引き合いに出して弟をダメにする、
親戚の前で妹ばかり褒めて姉のことは無視するというのも、
マルトリートメントにあたります。
さらに、自分に向けられた言葉でなくても、
母親が父親をひどく中傷したり(またはその逆)
祖父母が両親の悪口を言ったりするのを聞くと、
子どもは大好きな母親(父親)が、
いやしめられることで悲しむだけでなく、
血のつながりを悲観し、自分まで否定された気になるのです。
友田先生は、
マルトリートメントによって傷ついた人を救いたい。
これ以上、マルトリートメントによって傷つく子どもを
増やしてはいけない!
その想いで、この本を書かれたそうです。
親だけでなく、
教師も読まなければならない一冊だと、
私は思っております。
※友田先生の詳細は、ココをクリックしてください。