<校長室の窓> 諸富祥彦先生(明治大学教授)から学ぶ
- 公開日
- 2017/09/19
- 更新日
- 2017/09/19
勝川小学校
保護者の皆様へ
「スマホネグレクト」という言葉をご存知でしょうか。
恥ずかしながら、私は、この夏初めて耳にしました。
夏休みに東京で行われた研修会で、
教育界のカリスマ的存在である諸富祥彦(もろとみよしひこ)先生の
ご講演を聴く機会があり、その時、初めてこの言葉を知りました。
以下、諸富先生のその時の言葉をご紹介します。
今、「感情をコントロールできない子ども」が増えている。
なぜだろう。
背景の一つに、スマホの問題がある。
子どもよりも、ついついスマホに目がいってしまう親が増えている。
スマホをやっている間は、子どもたちは「放置」されている。
親たちは、「放置しよう」と思っていなくても、
結果的に放置しているのだ。
「ネグレクトしよう」と思っていなくても、
結果的にネグレクトしている。
これを「スマホネグレクト」という。
ある保育園の年長さんの子どもが、
「ぼく、スマホになりたい」と、私に言ってきた。
『ママのスマホになりたい』という絵本もある。
これは、お母さんがいつもスマホばかり見ていて、
ぼくのことを見てくれない、
スマホになったらぼくの方を見てくれるんだ!という
子どもの心の叫びだ。
人間は、養育者との間に「安定した一定の気持ちのつながり」
すなわち、「感情交流」によって、心が自然と育まれる。
これを、「アタッチメント」と言う。
安心できる心の環境の中で、子どもたちは自分の気持ちを出して、
のびのびと育つことができる。
しかし、気持ちを出しても、受けとめてもらえないと、
自分で自分の感情をコントロールできなくなるのだ。
つまり、自分の気持ちの「もっていき場」が無くなるのだ。
暴力的な子育てもある。
暴力的と言っても、実際に手を出すわけではない。
親がスマホをやっていて、ずっと子どもを無視していたかと思うと、
パッと子どもの方を向いて、「いい加減にしなさい!」と怒鳴る。
無視しているか、怒鳴っているかが子育ての大半になっている親が
増えているのだ。
勝川小学校の保護者の皆様には、
全くあてはまらない、「遠い世界の話」であると思いますが、
ある大学の研究では、この「スマホネグレクト」が、
全国的に、特に若い親の間に増えてきているそうです。
「ネグレクト」とまでは言わなくても、
私たち大人は、自分が忙しい時に、子どもが話しかけてくると、
つい、面倒くさそうに対応することがあります。
子どもは、悲しい気持ちになります。
昔から、よく言われている「聞き方 あいうえお」を、
教師も親も、常に心掛けるべきだと、私は思っています。
「あ」相手の目を見て(やっていることの手をとめて)
「い」一生懸命
「う」うなずきながら
「え」笑顔で
「お」おしまいで聞く
釈迦に説法を、お許しください。
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(写真出典 Yahoo!画像)