学校日記

<校長室の窓> そったくどうじ

公開日
2017/07/07
更新日
2017/07/07

勝川小学校

保護者の皆様へ

渡部昇一著『人生を創る言葉』(致知出版社)を読んでおりましたら、
素晴らしい言葉に出会いました。
それは、「啐啄同時(そったくどうじ)」と言う言葉です。
啐啄同時とは「禅」の言葉です。

「そつ」は、ひなが内側からたまごのからをつつくこと。
「たく」は、親鳥が外側からからをつつくことを言います。


ひなは、自分のくちばしで、たまごの殻をつつき、生まれてきます。
少しずつ時間をかけて、自分で自分の殻を割っていく…。
親鳥は、子どものペースに合わせて、
それを応援する意味で、外から殻をつついてやる。

ひながまだつつこうとしていないのに、
親鳥が先につついて、からを破ってしまっては、
ひなは、生まれることができません。

つまり、ひなと親鳥のタイミングが合うと、
ひながスムーズに生まれる(たまごから出てこられる)
という意味なのです。

早すぎてもはいけない。
遅すぎてももいけない。
その親子のタイミング…。
つまり、子どもが「出よう」としている時を見計らって、
親がサポートする。
そのタイミングが大事だということです。

子どもは一人ひとり違います。
その子のペースに合わせて、親も関わる必要があると思います。

子どもが自分でやろうとしているのを待ちきれず、
先回りして、親がついつい手助けしてしまうことを避けたいものです。
なぜならば、そうしていると、子どもの自主性が育たないからです。

子どもは本来、自分で伸びていく力を持っています。
関わり方で、その力を伸ばすこともできるし、
つぶしてしまうこともあるのです。

私たち大人は、焦らずに、
大らかに子どもを見守ることを心に留めておきたいものです。


釈迦に説法をお許しください。   校長 堤 泰喜