学校日記

<校長室の窓> 江戸しぐさ

公開日
2017/01/11
更新日
2017/01/11

勝川小学校

勝川小学校 6年生の皆さんへ

歴史で、江戸について学習しましたね。
今日は、「江戸しぐさ」を紹介します。

「江戸しぐさ」とは、もともとは、
江戸時代の商人たちが商売で繁盛(はんじょう)するために、
お客様と良い関係を築くための人づきあいのノウハウのことです。
「江戸しぐさ」には、
「してはいけないしぐさ」「するとよいしぐさ」があります。
いくつか紹介しますね。

稚児(ちご)しぐさ(してはいけないしぐさ)
人の迷惑を考えない子どもっぽい振る舞いを「稚児しぐさ」と言います。
今でいえば、電車やバスの中で、大声で携帯(スマホ)で話したり、
タバコのポイ捨てをしたりする人のことでしょうか。

戸閉(とじ)め言葉・手斧(おの)言葉(してはいけないしぐさ )
「でも」「だって」「しかし」「そんなこと言っても」などが、
「戸閉め言葉」です。
戸を閉めて、相手を中に入れようとしないという意味です。
「手斧(おの)言葉」とは、荒々しい乱暴(らんぼう)な言い方のこと。
今でいえば、「死ね」「うざい」「きもい」という言葉でしょうか。
このような言葉は、人を傷つけ、人間関係を確実に悪くしてしまいます。

傘(かさ)かしげ(するとよいしぐさ)
雨の日や雪の日、相手も自分もお互いが濡れないように、
傘を人のいない外側に、すっと傾けてすれ違うしぐさ。
これは、「江戸しぐさ」の代表的なものの一つと言われています。
江戸の町が、狭(せま)くて通行しにくかったために、
考えられたマナーだったようです。
例えば、雨の日に、
水しぶきがかからないように、ゆっくりと走行してくれるドライバー。
見ると、心が温まります。

こぶし腰浮(こしう)かせ(するとよいしぐさ)
江戸時代、渡し船を待っているとき、後から乗ってきた客のために、
こぶし分だけ腰を浮かせて席をつめること。
現代では、電車などで、この「こぶし腰浮かせ」が応用できるでしょう。

江戸時代に、
このような人づきあいが日常的に行われていたとは驚きです。
今の世の中に、
もっともっと「江戸しぐさ」が広まることを願っています。
(写真出典 Yahoo!画像)