学校日記

<校長室の窓> 中村文也氏から学ぶ

公開日
2016/10/24
更新日
2016/10/24

勝川小学校

保護者の皆様へ

本日、教育研究所において「中部中地健連講演会」がありました。
講師は、中村文也(ふみや)氏です。
中村氏は、昭和32年、
三重県の伊勢志摩にある五ケ所湾に生まれました。
昭和58年、25歳の時に、7坪の居酒屋「奥志摩」をオープン。
以来、自身の歩んできた人生を省みて、
「人に親切にすること」「楽しく生きること」をモットーに、
お店のスタッフとお客様の幸せを追求し続けている人です。

講演の中で、心に残ったことをお伝えします。
(講演内容と写真の本校HPへの掲載は、
 中村氏から許可をいただいております。)


まず、お母さん方にお聞きしたいと思います。
お子さんが、赤ちゃんとしてまだお腹の中にいた時、
どのような気持ちでしたか。
おそらく、
「元気な子でいてほしい」
「健康な子でいてほしい」
「優しい子になってほしい」
「人に親切な子になってほしい」
「楽しい人生を送ってほしい」
などと、願われたのではないでしょうか。
お腹の中のお子さんにに、
「いい大学に入学してほしい」
「いい企業に入社してほしい」
などとは、願わなかったはずです。
あの時の、あの気持ちが、
「子育てで一番大切なこと」なのです。

私は、8畳1間に4人で暮らすという、
とても貧乏な家に育ちました。
でも、私は、母ちゃんが大好きでした。
母ちゃんは、いつも僕に、こう語りかけてくれました。
「お前は何でもできる子だな…。」
「お前はすごい子だぞ…。」
「お前は賢いな…。」
「母ちゃんのところに生まれてきてくれて、おおきにな。」
いつも、何かあると、いつも褒めてくれました。
私は、母ちゃんの愛情をいっぱいに受けて育ちました。

ですから、自分の子どもができた時も、
夜、子どもが寝床につくと、
「お父さんの子どもに生まれてきてくれて、ありがとうな。」と、
毎日、ずっと言い続けてきました。
わが子が、5年生になった時、
「もう言わなくていいよ。わかっているから。」と言いました。
それからは、もう言うのはやめましたが、
それまで、4000回以上も言ったことになります。

ある刑事さんが言っていました。
少年の凶悪事件では、
相手をナイフで刺してしまう子と、踏みとどまる子がいる。
刺してしまった少年に聞くと、
必ずと言っていいほど、
「親が悲しむとは思わなかった」と言う。
踏みとどまった子に、その理由を聞くと、
必ずと言っていいほど、
「刺そうという瞬間に、母親の顔が出てきた…。」
と言うそうです。
親の愛情は、「波動」となって、子どもに届くのです。
そして、「何かの力」になるのです。

子どもが最も嫌うのは、「えこひいき」です。
子どもが嫌う言葉は、
「お前になんてできないよ」
「お前は何をやってもだめだな」です。
子どもが好きな言葉は、
「期待しているよ!」
「頑張っているね!」
「一緒にやってあげようか」です。

アメリカの家庭では、
朝、子どもを送り出す時に、
「楽しんできてね!」と、親は言うそうです。
子どもが、帰ってきたら、
「どう、楽しかった?」と聞くそうです。
日本の家庭では、
朝、親は、「頑張ってね!」と言います。
帰ってきた時は、親は結果を求めます。
例えば、「今日、50メートル泳げた?」というように…。
どちらが、子どもが健やかに育つでしょう。

ダメな家庭を5つ挙げます。
1 親が子どもの目の前で喧嘩をする家庭。
  (子どもに、父親が母親の悪口を言うのも、
   母親が父親の悪口を言うのも厳禁です!)
2 父親が、子育てに参加しない家庭。
  (小5までは、子どもは父親と遊びたがっています。)
3 あまりにも放任主義である家庭。
  (料理はまずくてもいいのです。必ず親が作りましょう。
   コンビニに頼ってはいけません。)
4 過保護な家庭。
  (突き放すことも大切。信じて見守ることが大切です。)
5 指示・命令が多い家庭。
  (子どもは「ウザイ」と感じ、ストレスがたまります。)

いかがでしょうか。
子育ての参考にしていただければ、幸いです。    校長 堤 泰喜