<校長室の窓> 金子みすゞの世界
- 公開日
- 2016/06/16
- 更新日
- 2016/06/16
勝川小学校
こだまでしょうか 金子みすゞ
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「馬鹿」っていうと
「馬鹿」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。
※金子みすゞの作品の本校HPへの掲載は、
『金子みすゞ童謡全集』JULA出版局から、
許可を得ています。
<解説>
この詩で私が注目したいのは、
「こだまでしょうか」という呼び掛けに
「いいえ、誰でも」と答えている末尾の一文です。
よいことも悪いことも、投げかけられた言葉や
思いに反応するのは「こだま」だけではなく、
万人の心がそうだと、みすゞは言っているのだ思います。
たった一言で、人は傷つきます。
たった一言で、人は微笑みます。
自分がやさしく話しかければ、
きっと相手も、おだやかに答えを返してくれます。
ことばは、人から人へ「こだま」します。
また、この作品を、テレビのCMで、
初めて目にした私は、
東日本大震災で被災された多くの方々が
味わった悲しみや辛い思いに対して、
「こだまする自分でいられるかどうか」と、
自問自答しました。
日本人の一人ひとりが、
東日本大震災がもたらした被害を、
自分のこととして感じる一つのきっかけを与えたのが
『こだまでしょうか』の詩だと思いました。
ACジャパンのCMは、ココをクリックしてください。
下の写真は、金子みすゞの直筆です。
(ポストカードを堤が撮影)