学校日記

<校長室の窓> ギブ・アンド・ギブ

公開日
2016/06/03
更新日
2016/06/03

勝川小学校

勝川小学校の高学年の皆さんへ

ギブ・アンド・テイクという言葉があります。
和英辞典は、「公平にやりとりする」と書いてありました。
簡単に言うと、
「これを与えたのだから、お返しに何かをください!」
「これをしてあげたのだから、かわりに、あれをしてください!」
という、「おたがいさま」の論理(ろんり)です。

しかし、これとは違い、こういう言葉もあります。
それは、ギブ・アンド・ギブです。
与えて、さらに与える。
見返りに何かを求めるということがありません。

ここで、私が尊敬する志賀内泰弘氏の言葉を、紹介します。

お金持ちになりたい
夢を叶(かな)えたい
幸せになりたい

別に「欲(よく)」が悪いわけではありません。
「○○がほしい」という「欲」のおかげで、人は努力をします。

ところが、不思議なことに、
「欲」というのは、追えば追うほど、遠ざかってしまうものなのです。

例えば、
湯船(ゆぶね)に浸(ひ)たってから、
目の前に緑色の「バスクリン」の粉末(ふんまつ)をパッと落とします。
その時、両手で緑色になったお湯の部分を、
手前にかき寄せるとどうなるでしょうか?
小さな湯船の中を、まるで自分から逃げていくかのように、
反対の方向へと遠ざかってゆきます。
反対に、両手で緑色のお湯を追いやると、
あら不思議、自分のほうへ近づいてきます。

遠ざければやって来る。
かき寄せれば逃げていく。

これが、自然の摂理(せつり)であり、世の中の真理(しんり)です。

「欲」をかきすぎると実らない。
相手のためにと、無償(むしょう)で役に立つことをすると、
結局(けっきょく)は、自分に還(かえ)ってくるのです。


     
いかがですか。
「欲しい、欲しい」といって、いつも求める人からは、
求めるものが遠ざかっていく。
反対に、「与えて、与えて、与える」人には、
与えたと思った物が、やってくるのです。

これは自然の摂理なんですね。
「バスクリンの法則」と呼ぶ人もいるそうです。

自然界は、そういうふうにできているのですね。
だから、ギブ・アンド・ギブが大切なのです。
求める心、つまり「欲」を少なくして、与えて、与えて、与えて与える。
そういうことができる人に、幸せが訪れるのです。
昔から日本に伝わる
「情(なさ)けは、人の為(ため)ならず」という言葉も、
同じ考えが、底流(ていりゅう)に流れていると思います。

                        校長 堤 泰喜