卒業式 校長式辞
- 公開日
- 2013/03/07
- 更新日
- 2013/03/07
学校行事
式辞
日一日と温かさが増し、校庭の木々の芽も膨んで、
「春の訪れ」が感じられる希望に満ちた季節となりました。
この佳き日に、多数のご来賓の皆様、並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、
ここに第29回の「卒業証書授与式」を盛大に挙行できますことを、
心より感謝申し上げます。
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
今、皆さん一人ひとりに卒業証書を手渡しましたが、
皆さんのキリッとひきしまった表情の中に、
中学校3年間の生活を立派にやり遂げたという満足感と、
「新しい世界へ出発するのだ」という力強い決意を感じました。
さて、振り返ってみれば、
卒業生の皆さんの、この3年間の中学校生活は、大変立派でした。
何より立派だったのは、そして、私が最も強調したいのは、
皆さんの日々の授業態度です。
話を真剣に聴く皆さんの姿勢とまなざし、
堂々と手を挙げて自分の考えを発表する態度、
皆さんは本当に授業を大切にしていました。
ですから学年全体の「学力」がグンと上がりました。
また、皆さんは男女の仲が良く、学年としても一つにまとまっていました。
教室にはいつも「笑顔」があふれていましたね。
私が皆さんの凄さに最初に驚いたのは、修学旅行です。
「やるときはやる」「楽しむときは楽しむ」そのメリハリのある姿を、
私はとても頼もしく感じました。
フジテレビで番組作りをしましたが、フジテレビのスタッフの方が
「これまで何百校と受け入れをしましたが、
こんなに熱心に楽しそうにやってくれた生徒さんは初めてです」という言葉が
印象に残っています。
もう一つ、私が絶賛したいことは、「ここぞ」という時の皆さんの団結力です。
実に素晴らしいものがありました。
体育大会の応援合戦、文化祭の合唱コンクール、
私は、身体が震えるほど感動しました。
「日本一の中学3年生が今ここにいる!」と、その時々に感じたものです。
部活動も頑張りましたね。
県大会・東海大会に出場した人、全国のコンクールで入賞した人もいました。
今の1・2年生も本当に良く頑張っていますが、
その土台づくりをしてくれたのは、
間違いなく卒業生の皆さんです。
皆さんは、石尾台中学校の伝統を引き継いでくれただけでなく、
この石尾台中学校を、様々な面でレベルアップしてくれた
「最高の学年」だったと思っています。
そのような皆さんとの別れに際して、「はなむけ」に、
一つの言葉と一つの詩を贈りたいと思います。スクリーンを見てください。
まず、この言葉です。
「この世に生を得るは、事をなすにあり」
これは、幕末に活躍し、近代日本の基礎をつくった坂本龍馬の言葉です。
「自分がこの世に生まれてきたということは、
この世で自分にしかできない役割が与えられたということだ。
自分がこの世に生まれてきたのは何かをするためだ!」
という生きることへの積極的で強い意志を示した言葉です。
これからの人生、何となく生きていれば何となく一生は終わってしまいます。
しかし、人として生まれた以上は、
「何かをなし遂げる」「何かを残す」そのような高い志を持って、
ポジティブに生きて行ってほしいと思います。
また、長い人生には、様々な困難があると思います。
そんな時は、この詩を思い出してください。
私の大好きな相田みつをさんの詩です。
道
長い人生にはなあ
どんなに避けようとしても
どうしても通らなければならぬ道
というものがあるんだな
そんなときは
その道をだまって歩くことだな
愚痴や弱音を吐かないでな
黙って歩くんだよ
ただ黙って
涙なんか見せちゃダメだぜ
そしてなあ
その時なんだよ
人間としてのいのちの
根が深くなるのは
皆さんがこれから歩む道は決して平坦ではないと思います。
苦しいこともあるでしょう。辛いこともあるでしょう。
でも、そうした多くの困難や苦労を乗り越えたときこそ、
大きな飛躍や成長があるのです。
そして、そういう時こそ、「人」としての深みが増すのです。
「今日」という日は、いつだって、残る人生の「初日」です。(繰り返す)
卒業は終わりではなく、始まりです。
ぜひ、今日からの一日一日を、力強く歩んで行ってくださいね。
さて、改めまして、卒業生の保護者の皆様。
お子様のご卒業を心より、お祝い申し上げます。
思春期の子どもたちの生活は、
ハラハラドキドキの連続であったろうと拝察致します。
また、言われぬご苦労もあったことでしょう。
3年前にお預かりしました時から本日まで、石尾台中学校教職員一同、
真摯に教育活動に取り組んで参りましたが、
この間、終始温かいご理解とご協力を賜りましたことに、
深く感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。
巣立ちゆく114名の卒業生、それぞれが自らの「個性」を磨き、
心身ともに素晴らしく成長した姿を眼前にした今、保護者の皆様とともに、
義務教育を修了した喜びを噛みしめたいと存じます。
最後になりましたが、
本校の教育活動推進にお力添えを賜りましたご来賓の皆様、
地域の皆様に心より感謝を申し上げます。
以上をもちまして、114名の希望に満ちた皆さんの前途に幸多かれとお祈りし、
式辞といたします。
平成25年3月7日
春日井市立石尾台中学校長 堤 泰喜