校長講話(人権講話)
- 公開日
- 2012/12/03
- 更新日
- 2012/12/03
今日の石尾台中
明日12月4日から10日までの1週間は、「人権週間」です。
今日は、その人権についてお話します。
人権とは、人が生まれながらに持っている権利で、
だれも奪うことのできない権利です。
3年生の皆さんは、社会科の公民的分野で、
「基本的人権」について学んだことでしょう。
人権…。
少し難しい言葉ですが、今日はこんな詩を読んで、
皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
担任の先生から配られたプリントを見てください。
これは、大正から昭和にかけて素晴らしい詩を発表した
金子みすゞさんの詩です。読んでみますね!(詩を読む)
私と小鳥と鈴と 金子みすゞ
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
どうですか。
先生は、最後の
「みんなちがって、みんないい」
というフレーズが大好きです。
鈴と小鳥と私、それぞれに良さがある。違いがある。
それでいい。
それがいい。
そして、「あなたはあなたでいい!」「いるだけで百点満点!」
とみすゞさんはうたっているのです。
「みんなちがって、みんないい」・・・なんてうれしい言葉でしょう!
誰もがずうっと前から気づいていて、
実は誰も、きちんと言ってくれなかった、
そんな素敵な言葉のような気がします。
皆さんの中には、運動は駄目だけれど、
ピアノは上手に弾けるよ!という人がいると思います。
皆さんの中には、歴史の年号はなかなか覚えられないけれど、
数学の計算なら任せてよ!という人もいると思います。
また、勉強は苦手だけど、サッカーはすごい!という人もいるでしょう。
人間には、努力してできることと努力してもできないことがあります。
それでいいのです。
不得意なことはあるけれど、得意なことがある。
その得意なことで輝けばいいのです。
また、一つの絵を見て「すごい絵だなあ」と思う人と
「なんだかよくわからない」と思う人がいると思います。
一つの曲を聴いて「名曲だ」と思う人もいれば
「雑音にしか聴こえない」という人もいるでしょう。
感性の違いですよね!
それが人間なのです。みんなちがっていいのです。
「あなたはあなたでいい」のです!
500万年とも言われる人類の歴史の中で、
命のバトンが受け継がれ、
こうして皆さんは、「今」を生きています。
しかし、過去にも未来にも一人として、
皆さんと全く同じ人間は存在しない!
現在、世界の人口は70億人以上とも言われていますが、
皆さんと全く同じ人間は世界のどこをさがしても絶対にいない!
皆さん一人一人が“Only One”なのです。
だから“誰もが宝物”・・・「いるだけで百点満点!」なのです。
今、隣に座っている友達。
前に座っている友達。
一人一人が“一人の人間”としてとっても尊い存在です。
誰もが幸せに生きる権利「人権」を持っています。
そして私もその中の一人…。
みんなが、そういう思いでいれば、
きっと優しい気持ちになれるのではないでしょうか。
優しい気持ちをもっていれば、
人と優しく接することができるのではないでしょうか。
そして、「いじめ」なんていう言葉は、
この学校からなくなるのではないでしょうか。
「みんなちがって、みんないい。」
大切にしたい言葉です。
お話終わります。