学校日記

1学期終業式

公開日
2011/07/20
更新日
2011/07/20

学校行事

 7月20日、台風接近による休校が心配されましたが、警報も発令されることもなく、1学期終業式を行うことができました。校長先生からは、元灘中灘高で50年間国語を教えた橋本武先生についてのお話がありました。この学校は、一教科一担任による6年間の持ち上がりで、橋本先生は、『銀の匙(さじ)』という明治初期をみなさんと同じ年頃の青年として生きた中勘助(なかかんすけ)という人の200ページほどの自伝を、中学三年間かけて学ぶというユニークな授業を進めてきました。生徒から「この進み方では、200ページを3年で終わることができないのでは?」という声があがりました。先生は、その疑問に対して、「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなります。そういうことを私は教えようとは思っていません。なんでもいい、少しでも興味を持ったことから気持ちを起こしていって、どんどん自分で掘り下げてほしい。私の授業では、君たちがそのヒントを見つけてくれればいい・・・。」と答え、テーマに近づき問題をきちんと理解できるかどうかを生徒がこの自伝から学ぶように願い、じっくり学んで人間の土台をつくることを進めました。この高校は、その後日本でも有数の進学校になっていきます。しかし、橋本先生の教えの本当の結果というのは、「『銀の匙』を読んだ生徒が、60才を過ぎても、みんな前を向いて歩いている」ということにあります。高校卒業後40年以上過ぎてから初めて明らかになる「結果」にあります。この話で伝えたいことは、薄っぺらなその場限りの努力で得たものは、すぐに役に立たなくなってしまうことと、目先だけでなく、もう少し先の結果や目標を求めて地道な取り組みを続けることです。暑い中でのランニングや基礎練習は、来年の夏の大会を最終目標としてめざすものです。夏休みの課題は、1学期の学習を振り返って、自分の取り組みの弱かったところを見つけて克服するものです。家庭でのお手伝いは、将来仕事に就いたときに自分の役割をきちんと果たすことに結びつくもだと思います。この夏休みに何か一つのことを続けることを試みてください。
 その後、3年生の原崎君の意見発表、3年生の竹市さん伴奏による校歌斉唱、生活指導の大久保先生のお話がありました。台風も去り、明日からは再び暑い日が続くと思います。たっぷりある時間を計画的に、そして安全に過ごし、2学期の始業式には全員が元気な姿を見せてください。