≪校長室の窓≫ 五嶋みどりさんから学ぶ
- 公開日
- 2014/01/22
- 更新日
- 2014/01/22
学校の窓
今日は、バイオリニストの五嶋(ごとう)みどりの言葉をご紹介します。
私が私でいることと、
いつも誰かとつながっていること。
その両方が楽しめれば最高です。
一見矛盾するような二つのことの両立、
ここに楽しみを見いだそうととする五嶋みどりさん。
「私が私でいること」とは、どういうことでしょう。
何かをやっている今の自分に、
何ものにも煩わされずに、集中できていることではないでしょうか。
五嶋さんは、わずか14歳の時、
アメリカの「タングルウッド音楽祭」で、
L.バーンスタイン指揮のボストン交響楽団と共演しました。
しかし、その演奏中、弦を2度も切るというアクシデントに見舞われます。
普通なら、茫然自失(ぼうぜんじしつ)といったところでしょうが、
あわてることなく、
1度目は、コンサート・マスターのバイオリンを
2度目は、アシスタント・マスターのものと素早くチェンジしたのです。
そして、演奏を中断することなく、見事弾き終え、
バーンスタインから祝福の抱擁(ほうよう)を受けました。
これがこういう時のやり方であるとはいえ、
そうそう咄嗟(とっさ)にやれるものではありません。
彼女の行動を、アメリカのメディアは、
「タングルウッドの奇跡」と称え、教科書にも掲載されました。
これだけなら、名演奏家の1人で終わるでしょうが、
彼女は、「人とつながっていること」も忘れません。
大学では、心理学を学び、現在大学で教えるとともに、
非営利団体を組織し、発展途上国の子どもたちに、
音楽を送り続けているのです。
自分を持ち、その自分と人を繋(つな)げていく。
今のテーマは、「集中」といいます。
私と誰か、両方いて、人は人として生きられるのです。
(写真は五嶋みどりさん Yahoo!画像より)
