≪校長室の窓≫ 楽天「日本一」に思う
- 公開日
- 2013/11/05
- 更新日
- 2013/11/06
学校の窓
私は、巨人ファンです。
でも、今回の日本シリーズで、楽天が優勝したのには、感動しました。
楽天は、まさに「野球の底力」を見せてくれました。
そして、東北の人々に、夢と勇気と感動を与えたと思います。
私は、2011年4月29日、嶋選手が、
Kスタ宮城で、名スピーチをしたことを、鮮明に覚えています。
その内容をご紹介します。
<スピーチ全文>
本日は、このような状況の中、Kスタ宮城に足を運んでいただき、
またテレビ、ラジオを通じてご覧いただき、誠にありがとうございます。
この球場に来る事が簡単ではなかった方、
ここに来たくても来られなかった方も大勢いらっしゃったかと思います…。
地震が起こった時、僕たちは兵庫県にいました。
遠方の地から家族ともなかなか連絡が取れず、
不安な気持ちを抱きながら全国各地を転戦していました。
報道を通じて被害状況が明らかになっていくにつれて、
僕たちもどんどん暗くなっていきました。
その時の事を考えると、
今日、ここKスタ宮城で試合を開催できた事が信じられません…。
震災後、選手みんなで「自分たちに何ができるか?」、
「自分たちは何をすべきか?」を議論して、
考え抜き、東北の地に戻れる日を待ち続けました。
そして開幕5日前、選手みんなで初めて仙台に戻ってきました。
変わり果てたこの東北の地を「目」と「心」にしっかりと刻み、
「遅れて申し訳ない」と言う気持ちで避難所を訪問したところ、
皆さんから、「おかえりなさい」「私たちも負けないから頑張ってね」と、
声を掛けていただき、涙を流しました。
その時に何のために僕たちは闘うのか、ハッキリしました。
この1カ月半で分かった事があります。
それは、「誰かのために闘う人間は強い」と言うことです。
東北の皆さん、絶対に乗り越えましょう。今、この時を。
絶対に勝ち抜きましょう、この時を。
今、この時を乗り越えた向こう側には、
強くなった自分と明るい未来が待っているはずです。
絶対に見せましょう、東北の「底力」を!
本日はありがとうございました。 (スピーチ終わり)
そして、2013年11月3日に、見事、「日本一」を果たしたのです。
本当に、素晴らしいと思います。
私は、この「底力」という言葉を、辞書で調べてみました。
辞書には「いざというときに発揮される、隠された力」と書いてありました。
逆境の中にあっても、折れない心。
辛いことがあっても、負けない精神力と勇気とパワー。
自分が苦しい時でも、人に優しくできる「真の優しさ」と「強さ」。
そういったことも、「底力」に含まれるのではないかと思います。
では、「底力」は、どうやったら培われるのでしょうか。
私は、まず第一は、「不断の努力」だと思います。
また、何度挫折(失敗)しても、
その度に、再び「チャレンジしていく姿勢」を持つことだと思います。
また、当たり前のことを当たり前にする「凡事徹底」だと思います。
石中生の皆さんへ
底力を自ら培うために、一日一日を大切にしましょう!
朝読書、授業、当番の仕事、掃除、部活での完全燃焼、家庭での学習、
早寝早起き朝ごはん、挨拶、笑顔…。
そういことを、きちんと毎日続けていけば、
人間としての「底力」がつくのではないかと思います。
共に頑張ろうではありませんか!
校長 堤 泰喜
(写真は楽天の嶋選手 ウィキペディアより)