≪校長室の窓≫ 中学生で出会っておきたい詩
- 公開日
- 2013/10/10
- 更新日
- 2013/10/10
学校の窓
石中生の皆さんへ
今日から、時々、「中学生で出会っておきたい詩」を掲載します。
今日は、谷川俊太郎『すき』から、
「ひとりひとり」という詩を紹介します。
ひとりひとり
ひとりひとり違う目と鼻をもち
ひとりひとり同じ青空を見上げる
ひとりひとり違う顔と名前をもち
ひとりひとりよく似たため息をつく
ひとりひとり違う小さな物語を生きて
ひとりひとり大きな物語に呑(の)み込まれる
ひとりひとりひとりぼっちで考えている
ひとりひとりひとりでいたくないと
ひとりひとり簡単にふたりにならない
ひとりひとりだから手がつなげる
ひとりひとりたがいに出会うとき
ひとりひとりそれぞれの自分を見つける
ひとりひとりひとり始まる明日(あした)は
ひとりひとり違う昨日から生まれる
ひとりひとり違う夢の話をして
ひとりひとりいっしょに笑う
ひとりひとりどんなに違っていても
ひとりひとりふるさとは同じこの地球
<解説>
ひとと同じじゃないことに不安を持つ必要はありません。
違っていることを面白がればいいのだし、
ばらばらだからこそ、協力や団結する時に、力が生まれるのです。
たくさんの足裏が踏みしめているのは、ひとつきりの青い惑星。
歩き出しましょう。
この世にひとりしかいない自分を実感しに、
自分にしかできないことを探しに出かけましょう。
見つかるまで歩きましょう。