蝶
- 公開日
- 2013/09/09
- 更新日
- 2013/09/09
今日の石尾台中
正門前の花壇で、蝶を撮影しました。
蝶を見ると、必ず思い出すのが、
三好達治の「郷愁」という詩です。
ご紹介します。
郷愁 (三好達治)
蝶のような私の郷愁!
蝶はいくつか籬(まがき)を越え、午後の街角に海を見る。
私は壁に海を聴く。
私は本を閉じる。
私は壁に凭(もた)れる。
隣の部屋で二時が打つ。
海、遠い海よ!と私は紙にしたためる。
海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる。
そして母よ、仏蘭西人(フランス)の言葉では、あなたの中に海がある。
この最後の2行が大好きです。
日本語の漢字「海」の中には、「母」があります。
フランス語では、母を表す「la mère(ラ・メル)」という言葉の中に、
海を表す「la mer(ラ・メル)」が含まれているのです。