学校日記

一日一言

公開日
2013/08/22
更新日
2013/08/22

学校の窓

石中生の皆さんへ

今日は、私自身が「自分もそうありたい」と、
日頃考えている「生き方」「考えかた」をご紹介します。
参考にしてください。

一隅を照らす


「一隅(いちぐう)」というのは片隅のことです。
「照らすというのは」、明るくすることですね。
「一隅を照らす」とは、
小さな明かりを掲げて、小さな隅を、明るくあたたかくすることです。

この「一隅を照らす」という言葉は、
皆さんが、歴史の教科書で学んだ、伝教大師・最澄の言葉です。
最澄は、『山家学制式(さんげがくしょうしき)』という本の中で、
「国の宝とは何だろうか。
 大きな素晴らしい宝石がたくさんあるのが国の宝だろうか。
 いや、そうではない。
 一隅を照らす人、それこそが国宝なのだ。」
と述べています。

「一隅」とは、今あなたのいる「その場所」と考えてもいいと思います。
子どもなら、「家庭」「学校」「地域」、
大人なら、それらに加えて「職場」など、
自分自身が置かれたその場所で、
精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、
何物にも変えがたい「貴い国の宝」なのです。

一人ひとりがそれぞれの持ち場で全力を尽くすことによって、
社会全体が明るく照らされていく。
自分のためばかりではなく、
人の幸せ、人類みんなの幸せ求めていきましょう。
「人の心の痛みがわかる人」
「人の喜びが素直に喜べる人」
「人に対して優しさや思いやりがもてる心豊かな人」こそ国の宝です。
そして、そういう心豊かな人が集まれば、明るい社会が実現します。

あなたが、あなたの置かれている場所や立場で、
「こここそ自分の持ち場だ」と信じる場所で、
ベストを尽くして照らして下さい。

あなたが光れば、あなたのお隣も光ります。町や社会が光ります。
小さな光が集まって、日本を、世界を、やがて地球を照らします。

一隅を照らして下さい。

(写真は最澄 出典:ウィキペディア)