学校日記

≪校長室の窓≫  じっと待つ

公開日
2013/08/10
更新日
2013/08/10

学校の窓

保護者の皆様へ

夏休みも半分が過ぎました。
子どもたちと顔を合わせる機会が増え、
失礼ですが、もしかすると、小言が増える日々ではないでしょうか。
ぜひ、日頃できない親子の会話、コミュニケーションを、
深めていただければ、幸いに思います。

そこで、大切にしていただきたいことを一つだけ書かせていただきます。
それは、「待つ」ということです。

相田みつをさんの作品に「待つ」という詩があります。

待つ

待ってもむだなことがある
待ってもだめなこともある
待ってもむなしきことばかり
それでもわたしはじっと待つ


草花や農作物を育てるのが上手な人は、待つことが上手だ
という話を聞いたことがあります。
待っていることに喜びや楽しみを感じられる人
と言ってもいいかと思います。

子どもたちも、同じではないでしょうか。

雨の日に傘を持たずに出かけた子どもを、バス停で待つこと、
約束した時間に帰らない子どもを、時間を気にしながら待つこと、
やってはいけないことばかりする子どもが、やらなくなるのを待つこと…
子どもを育てるのは、そうしたことの積み重ねのような気がします。

なかなか「結果」を出せない子どもを待つのには、「辛抱」が要ります。
私たちは、つい先の「結果」ばかりに目を奪われるからです。
でも、子どもたちはそう都合よく育ってはくれません。
勉強をしない、友達をつくれない…
なかなか一歩を踏み出してはくれません。

でも、今は「休息」の時間なのかもしれません。
それならば、「休息」が終わるのを静かに待ってやりたいものです。
はた目には、待っていることが無駄なように見えても、
子どもを信じて待つことに、
喜びを感じられるような親でありたいものです。

子どもの「自主性」や「自立心」は、
「待つ」ことによってしか育たないと、
私は思います。
                      校長  堤 泰喜