校庭の花
- 公開日
- 2020/05/26
- 更新日
- 2020/05/26
南城中学校
校庭の片隅で、ひっそりと咲いている花です。
こういう花々は、こちらが「見よう!」と思わないと、
自分の目の中に入ってきません。
美しい花を見つけて、その美しさに感動する。
南中生には、そんな人になってほしいと願っています。
タンポポ 高田敏子
私はタンポポが好き
なぜなら タンポポは
思いがけないところに
見ることができるから
都会の中を走る
線路のかたわらに咲いていたり
ゴミ箱のうしろに首をかしげていたり
たとえば ある日
線路のかたわらで
長い貨車のすぎるのを
みつめている人がいたとする
──生活に疲れて──
貨車のすぎたあと そこに見る
あざやかな黄の色に
その人はきっと引きもどされるだろう
明るい生の方へ
タンポポは
自分がそんな意味のある花とは
気づかないだろうけれど──
春も終わったいま
わが庭の隅の隅に
タンポポの花 一輪
出典『月曜日の詩集 続』