第64回卒業証書授与式
- 公開日
- 2011/03/08
- 更新日
- 2011/03/08
学校概要
3/8(火)、うららかな春の日差しのもと、平成22年度第64回卒業証書授与式が挙行されました。多くの方の温かい拍手に迎えられる中、卒業生が堂々と胸を張りながら1組から順に体育館に入場しました。卒業証書が授与された後、校長先生からの式辞では、次のようなことが話されました。
『今渡した卒業証書はたった1枚の紙に過ぎませんが、そこには様々なものが宿されています。ご両親の愛情、先生方や地域の方々の熱心な教えや温かい導き、支え合ってきた仲間達との友情、こうしたものが積み重なってできた卒業証書の重みを感じてください。
私は皆さんとは2年前に出会ったわけですが、皆さんのさわやかで、活力に満ちた姿をいろいろな場面で見てきました。その時々の思い出と感動は、私だけでなく在校生一人一人の心に鮮明に刻み込まれたことでしょう。皆さんが築き上げてくれた活動は、西部中学校の伝統として、後輩達がきっと立派に引き継いでくれることでしょう。
皆さんの卒業にあたって、中村久子さんという人の強い生き方を紹介したいと思います。
中村さんは、3歳の時に脱疽という病気にかかり、両手両足を切断しなければならなくなりました。7歳の時に父親を失い、母親は自分一人で生活できるようにと、指のない短い腕と口を使って、習字、料理、裁縫などを厳しく訓練しました。血のにじむような努力とびっくりするような工夫で、彼女はそれらをみごとに克服してきました。しかし、20歳の時、生活していくために自ら見せ物小屋で「だるま娘」として売られていきました。それでも、中村さんは見せ物小屋の芸人として力強く生き抜き、その生き方は多くの人に感動を与えたのです。彼女は晩年書いた「ある ある ある」という誌は、「ないこと」には敏感で「あること」には鈍感であることを、私たちに気づかせてくれます。「お金がない」「携帯がない」「親の理解がない」などの不平にとらわれがちな私たちですが、「私の周りには数え切れないほどある」という発想に立って考えてみたらどうでしょう。
これから皆さんが歩む道は、平坦な道ばかりではありません。困難に出会うことも嫌な思いをすることもあるでしょう。そんなときは、自分の身の回りにはたくさんの人や物があることに感謝して、力強い心ですばらしい未来を築いてください。』
この式辞のあと、来賓の方々からも励ましのお言葉や心温まるお言葉をたくさんいただきました。2年生女子による送辞と在校生による「心の中にきらめいて」の合唱に続き、3年生男子による答辞と卒業生による「旅立ちの日に」の合唱を行いました。多くの生徒が涙ぐみながらも一生懸命歌うことができました。最後に教職員、卒業生、在校生により、声高々と校歌斉唱が行われ、感動的な卒業式となりました。
多くの保護者の方と来賓の皆様に参列していただき、心のこもったたくさんの祝辞や祝電をいただき、本当にありがとうございました。360名の卒業生一人一人にとっても、忘れることのできない節目の日になったと思います。
これからも西部中学校の教育活動にご理解をいただき、支えていただけますようよろしくお願いします。