免疫(めんえき)って どんなはたらき? 
わたしたちの体を、無数の外敵から守る防衛軍
 この、体をウイルスの侵入などからまもる防衛軍には、じつは、役割のちがう2つの部隊でなりたっています。ここでは、第1防衛部隊と第2防衛部隊としておきましょう。第1防衛部隊は「自然免疫」といい、私たちが生まれつきもっているもので、第2防衛部隊は、私たちが生まれてから、いろいろ経験して手に入れた免疫(これを「獲得免疫」といいます)です。この2つの部隊は、まったくちがう仕組みで協力しながら働いているのです。
第1防衛部隊の働き
外壁とは、皮膚や粘膜などのことをいい、外敵が体の中に侵入するのをふせいでいます。
外敵が外壁をつきやぶって侵入すると、炎症がおこります。
これを見たマクロファージ(防衛軍でなく、警察にたとえるなら派出所のおまわりさん)は、外敵が侵入したことを知り、炎症したところに大急ぎでかけつけ、侵入してきた敵を食べて分解してしまいます。そして、外敵が侵入したことを、第2防衛部隊本部の司令官であるヘルパーT細胞(防衛軍でなく、警察にたとえるなら県警本部)に直ちに報告します。
 ところで、マクロファージで処理しきれないほどの敵が現れると大変ですね。そんなときは、マクロファージを警察官だとすると、機動隊にあたるような好中球という白血球も登場します。とくに、細菌を相手に戦うことが好きです。この好中球は、腹一杯食べると自らも死んでしまいます。ウイルスの死骸や戦って死んだ好中球などは、膿(うみ)となって体外に出ます。
第2防衛部隊の働き
外敵が侵入したことを聞いた第2防衛部隊本部の司令官ヘルパーT細胞は、次の2つの命令を出します。
1つ目は、細胞を殺すことを専門にしているキラーT細胞に、外敵にのっとられた細胞とその中に入っている外敵をいっしょに破壊し、殺してしまうように命令を出します。
2つ目は、リンパ球の1つで抗体を作るのが専門のB細胞に、抗体を至急作るように命令を出します。この抗体が外敵にくっつくと、外敵は動けなくなり、無毒化してしまいます。(防衛軍でなく警察にたとえるなら、指名手配や逮捕状を出すこととなりますね。)
このように、体の中では休みなく、体を守るために、免疫システムが働いているのです。

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