学校日記

人間万事塞翁が馬

公開日
2013/03/05
更新日
2013/03/05

学校の窓

石中生の皆さんへ

『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』講談社
を読んでいたら、こんな文章がありましたので紹介します。

ぼくの好きな言葉の一つに「人間万事塞翁が馬」があります。
昔、中国に住んでいた塞翁(さいおう)というおじいさんの馬が逃げ出します。
近所の人が気の毒がってなぐさめると、おじいさんは平然として、
「これが幸福のもとになるかもしれん」と言います。
しばらくすると、以前逃げた馬が、名馬をたくさん引き連れて戻ってきました。
近所の人から「おめでとう」と祝いの言葉をもらったおじいさんですが、
今度は「これが禍(わざわい)のもとになるかもしれん」といいます。
すると、今度は、馬に乗っていたおじいさんの自慢の息子が、
落馬して骨折し、足に障害が残ってしまいます。
さぞやおじいさんが嘆き悲しんでいるだろうと近所の人が見舞いに行くと、
おじいさんははやり平然として、
「これが幸福のもとになるかもしれん」と言います。
その翌年、隣国との戦争がはじまりました。国の若者は戦闘に駆り出され、
ほとんど亡くなってしまいますが、塞翁の息子は足の障害のため兵役を免れ、
戦死せずに済みました。
人生における幸・不幸は予測できないことをあらわす故事です。
      
「不幸」だと落ち込んでいることでも、
もしかするとそれは「幸福」につながるかもしれません。
この言葉を目にして、私自身も、随分励まされました。
「人間万事塞翁が馬」につきましては、3月6日配付の『学校新聞』にも、
文章を掲載しましたので、読んでみてくださいね。

                       校長  堤 泰喜