学校日記

朝会 校長講話「二人の日本人」

公開日
2012/05/14
更新日
2012/05/14

今日の石尾台中

今日は二人の日本人について話します。(プレゼンを投影)

まず最初は,イチロー選手です。
2004年,彼は,大リーグで,とてつもない記録を打ち立てました。
1シーズン 161試合で262安打。
ジョージ・シスラーの記録を84年ぶりに更新したのです。
そして,さらに2010年,10年連続の200本安打を達成しました。
日本のプロ野球でも1シーズンに200本の安打を打つのは大変です。
でも,彼は,大リーグの豪速球のピィッチャーから打ったのです。
彼がなぜこんなにすごいのか。彼の言葉の中から考えたいと思います。

「ここまで来て思うのは,まず手の届く目標を立て,ひとひとつクリアしていけば,
最初は手が届かないと思っていた目標にもやがて手が届くようになるということですね。」
「今自分にできること。頑張ればできそうなこと。そういうことを積み重ねていかないと,遠くの目標は近づいてこない。」
「小さなことを重ねることが,とんでもないところへ行くただ一つの道だと思う。」
「夢をつかむということは,一気にはできません。小さなことを積み重ねることで,
いつの日か,信じられないような力を出せるようになっています。」

手の届く目標を立て,ひたすら努力する。
毎日の小さな努力の積み重ねが,いかに大切かを教えてくれています。

「キライなことを『やれ』と言われて,やれる能力は,後で必ず生きてきます!」

イチロー選手は,中学校時代,コンクリートの壁にボールを投げて跳ね返ってきたボールを拾う。そういう練習をずっと監督からさせられました。イヤでイヤでしようがなかったそうです。でも,それをやりぬいたことで,今の「強肩」ができたんですね。
君たちも部活の練習の中で嫌いな練習があると思います。でもそれから逃げていては進歩はありません。

「自分がわからないことに遭遇するときや,知らないことに出会った時,『お,自分はまだまだいける』と思います。」

私たちは,知らないことやわからないことに出会うと,ついつい「自分はダメなんだ」と思いがちですが,「まだまだ“のびしろ”がある」「伸びる可能性がある」とポジティブに考えることが大切なんですね!

「結果が出ないとき,どういう自分でいられるか。決してあきらめない姿勢が,何かを生み出すきっかけをつくる。」

明日からテストが始まります。思うような結果が出ない場合もあるかもしれません。
その時に,「どういう自分でいられるか」が大切なのですね。
「今度は頑張ろう!」「決してあきらめないぞ!」という気持ちを持つことの大切さを教えてくれる言葉だと思います。

「苦悩というものは,前進したいって思いがあって,それを乗り越えられる可能性のある人しか訪れない。だから苦悩とは飛躍なのです。」

苦しみを乗り越えた時,ジャンプできる。
逆に,前進したいと思わない人は悩まないし,飛躍もできないということです。

「前向きに食事をし,前向きに買い物をした。何事も前向きに行動することが可能性を生む。」

皆さんも,学校生活の中で,何でも前向きに行動してくださいね。
やらされるのではなく自らすすんでやる。そのことが大切です。

「努力せずに何かできるような人のことを「天才」と言うなら,僕はそうじゃない。
努力した結果,何かができるようになる人のことを「天才」というなら,僕はそうだと思う。」

いい言葉ですね。

もう一人の日本人は,若田光一さんです。
若田さんは,国際宇宙ステーション(ISS)の船長さんに選ばれました。
これはISSの一部,日本の実験棟「きぼう」です。
もちろん他の国の実験棟もあります。
ISSは,ほぼ90分で地球を一周します。
1日16回,昼と夜が繰り返されます。
そして6か月間,無重力の中で,難しい実験をするのです。
すごくストレスがたまります。
しかも,参加している国は15カ国です。
その宇宙飛行士をまとめることは大変なことです。
そのISSの船長に,日本人の若田さんが選ばれたのです。

彼は,「和の心」で臨みたいとインタビューで答えていました。
つまり「チームワーク」「協力」の精神ですね。

彼は,次のようにも言っています。少し難しいですが,聞いてくださいね。
「さまざまな国の宇宙飛行士や何百人もの地上スタッフからなるチームでのコミュニケーションにおいて,明快,簡潔且つ建設的な意思疎通を図れることはとても大切です。また,ユーモアは人間関係をリラックスさせる潤滑油であり,活気を呼び起こすスパイスのようなものです。ミッションを成功させるためには,言葉はもちろん,相手への思いやりも含めた優れたコミュニケーション能力が必要です。」

「思いやりの心」や「コミュニケーション能力」がいかに大切か、教えてくれています。

さて,二人の日本人について話してきました。
イチロー選手からは,「目標に向かっての努力の大切さ」,若田さんからは「コミュニケーションの大切さ」を学びました。
この二つがあれば,これからの社会を生き抜くことができるのではないでしょうか。
未来へはばたけ!石中生!