≪校長室の窓≫ 3年生の保護者の皆様へ
- 公開日
- 2013/11/28
- 更新日
- 2013/11/28
学校の窓
中学3年生の保護者の皆様へ
中学3年生のお子様をお持ちの保護者の皆様に、
ビートたけしさんの詩を、一つご紹介します。
人は何か一つ誇れるものを持っている
何でもいい それを見つけなさい
勉強が駄目だったら 運動がある
両方駄目だったら 君には優しさがある
夢を持て、目的を持て、やればできる
こんな言葉に騙されるな
何も無くてもいいんだ
人は生まれて、生きて、死ぬ
これだけでたいしたものだ
ご一読され、どんな感想を持たれましたか。
「何か、肩の力が抜けて少し気分が楽になった」とおっしゃる方も
おみえになるでしょう。
また、「なるほどその通りだ」と共感された方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
いや、「夢を持たせることは大切だ!」とお考えの方も
たくさんおみえになることと思います。
いよいよ12月になります。
進路決定をしていかなければなりません。
受験生と同様に、保護者の皆様の大変さも、自分の経験からわかります。
3年生の保護者の皆様は、
「大きな夢を持て!」
「最後まで夢をあきなめなければ、必ず実現する!」と、
我が子を励まし、我が子の個性を最大限に生かせるような進路選択は
ないものかと真剣にお考えになり、奔走してこられたことでしょう。
その方向性は、私は「間違っていない!」と思います。
私自身も、石中生に、以前、
私が大好きな上杉鷹山(ようざん)の次の言葉を紹介しました。
為せば成る 為さねば成らぬ何事も
成らぬは人の 為さぬなりけり
「努力は決して裏切らない!」
これは、「真実だ」と私は思っています。
ですから、これからも、
私は、石中生に「熱いエール」を送り続けていきたいと思っています。
しかし、ビートたけしさんは、
こんな言葉に「騙されるな」と否定的です。
人生、夢を持っていても、実現する夢もあれば、実現しない夢もある。
夢をあきらめても、生きなければならないこともある。
また、生きていること自身が大変なことであり、
時にはそれだけで十分と思える時もある。
それが現実だ。
今の子どもたちは、「夢を持て」「個性が大切だ」と言われ続けて、
ある種の息苦しさを感じている。
「普通」であることが、もっと認められ、
夢ありきではなく、努力の積み重ねの先に夢があることを大事にしてほしい。
ビートたけしさんの、そんなメッセージが聞こえてきます。
これもまた、一方で「真実」なのかもしれません。
では、親はいったいどうしたらいいのでしょう。
この矛盾をどう解決したらいいのでしょう。
ある高校サッカーの監督さんが、
「監督である自分が、選手の一番のファンであればいい。」
「選手が本当に力づけられるのは、自分のプレーを誰かが喜んでくれる
とわかった時だろう。」
と述べています。
保護者の皆様も、視点を少し変えていただき、
我が子の「一番のファン」として、接していただければ、
お子様の「やる気」「良さ」「持ち味」が、
新たに、たくさん見えてくるのではないでしょうか。
いずれにしても、学校も保護者も、
ともに、3年生の「心の支え」でありたいと思っております。
これから先、受験生は、心が不安定になりがちです。
私たち大人が、受験生の「心のうち」をしっかりととらえ、
あたたかく、見守ってあげたいと思います。
石中3年生なら、きっと私たちの期待に応えてくれる!
そう信じて・・・。
校長 堤 泰喜