学校日記

≪校長室の窓≫  夢を持ち続けて

公開日
2013/11/27
更新日
2013/11/27

学校の窓

石中生の皆さんへ

観光バスに乗って旅した時の話を書きます。
その時、とても素敵な人に出会いました。
どんな人だと思いますか。

その素敵な人とは、観光バスの運転手さんです。
その運転手さんは、若い女性でした。
とても上手に運転してくださり、マイクで観光案内もしてくださいました。

休憩の時に、私は、
「どうしてバスの運転手さんになられたのですか」と聞きました。
運転手のお姉さんは、こんな話をしてくださいました。

私は、数学や理科の勉強は、あまり得意ではなかったんですが、
社会科だけは大好きでした。
社会科の中でも、地理、そう地図の勉強が大好きでした。

それに、私の家は貧しくて、休みになっても、
みんなのように、あちこちに旅行に連れて行ってもらえませんでした。
私は、毎日のように地図や道路地図を見て、
みんなが話していた観光地を探して、
「この湖はきれいだろうな」
「ここを、こう通っていけば、必ずいけるんだな」
「一度でいいから、この海岸線を走ってみたいな」
「この海は、夕日がきれいだろうな」
と、一人だけで、頭の中で旅行を楽しんでいました。

そして、学校を卒業したら、
日本全国を走り回れる仕事に就きたいと、いつも思い続けていました。
どうせ日本中を見て回るのなら、自分で運転してみたいと思って、
頑張って運転免許を取って、この仕事に就いたのです。

仕事は、男の人と全く同じです。
みんな自分一人でやります。
お客さんを無事に送り届けてから、車庫に帰って、
掃除や機械の点検をしていると、夜遅くなることもあります。

辛いこともありますが、観光地にも行けるし、温泉にも入れます。
その上、お客さんに喜んでもらえ、お給料までいただけるので、
とても楽しいです。

と、話してくださいました。
とても素敵なお話ですね。
皆さんは、将来、どんな仕事に就きたいと思っていますか。
どんな夢を持っていますか。
                          校長 堤 泰喜