学校日記

≪校長室の窓≫ 中学生で出会っておきたい詩

公開日
2013/11/23
更新日
2013/11/23

学校の窓

石中生の皆さんへ

今日は、谷川俊太郎『どきん』から、
「サッカーによせて」という詩を紹介します。  校長 堤 泰喜


「サッカーによせて」

けっとばされてきたものは
けり返せばいいのだ

ける一瞬に
きみが自分にたしかめるもの
ける一瞬に
きみが誰かにゆだねるもの
それはすでに言葉ではない

泥にまみれろ
汗にまみれろ
そこにしか
憎しみが愛に変わる奇跡はない
一瞬が歴史へとつながる奇跡はない
からだとからだとぶつかりあい
大地が空とまざりあう
そこでしか
ほんとの心は育たない

希望はいつも
泥まみれなものだ
希望はいつも
汗まみれなものだ
そのはずむ力を失わぬために

けっとばされてきたものは
力いっぱいけり返せ


<解説>
サッカーボールを追う姿に限らず、
無我夢中で何かに向かっていく姿は美しいと思います。
泥まみれでも、汗くさくても、
それが人にどう見えるかなんて、かまわないのです。
「たった今」だけがある。
「たった今」に集中すると、
あなたに「生きている感じ」がやってきます。
その感覚をいったんつかんだら、
身体(からだ)は、死ぬまで忘れません。
そして、あなたの魂をリードし続けるのです。