≪校長室の窓≫ 負けない!
- 公開日
- 2013/08/18
- 更新日
- 2013/08/18
学校の窓
石中生の皆さんへ
今日は、「困難・辛いことに負けない」ことについて書きます。
皆さんは、学習や部活動、友達との人間関係などで、
「辛い」と感じた経験があるでしょう。
私も、これまでの人生の中で、多くの挫折をしました。
「自分は、何のために生きているのだろうか」
「もうだめだな、俺だけがなんでこんなに辛いのか」
と絶望感を抱いていたこともありました。
しかし、今、思うと、それは「甘え」でしかありませんでした。
1枚の絵(1冊の本)を見た時、私の人生観は大きく変わりました。
その絵を描いた人は、星野富弘さんという方です。
星野さんは、1970年の春、群馬大学を卒業して、
中学校の体育の先生になりました。
その2か月後、体育部の部活の指導中、
前方宙返りの模範演技をしていて、頭から床に落ち、
首の骨を折ってしまいました。
手足は、麻痺してしまい、
頭を少しだけ動かせるだけの体になってしまいました。
星野さんは、絶望の中、自殺も考えたそうです。
しかし、星野さんは、絶望の底から、見事に這い上がりました。
なんと絵筆を口にくわえて、水彩で「花」を描き、
その絵に「詩」をつけることを始めたのです。
絵筆の交換等の作業は、母親がいつも手伝っていたそうです。
私は、想像する絶する困難や辛いことを、
一生懸命に乗り越えた星野さんは、本当に「すごい人だ!」と尊敬し、
彼の絵や詩から、いつも勇気をもらっています。
星野さんの詩を一つ紹介します。
神様が、たった一度だけ、
この腕を動かしてくださるとしたら、
母の肩をたたかせてもらおう。
風に揺れるぺんぺん草を見ていたら、
そんな日が本当に来るような気がした。
星野さんは、現在は、世界的に知られ、
群馬県みどり市に「星野富弘美術館」があります。
私は、4年前、かねてからの念願がかなって、
「星野富弘美術館」に行ってきました。
星野さんの原画を観て、感動で、涙が止まらなかったことを覚えています。
(写真の一番左が、その時の入場券の半券です)
石中生の皆さん。
困難や辛いことがあっても、負けないで、
お互いに頑張っていきましょう!
校長 堤 泰喜
(写真中央が、星野富弘さんです)