学校日記

≪校長室の窓≫  頭のよい子が育つ家

公開日
2013/08/07
更新日
2013/08/07

学校の窓

保護者の皆様へ

先日、ある教育雑誌に、
「子どもの勉強にプラスになるためには、子ども部屋がない方がいい」と
書いてあったので、驚きました。

その教育雑誌によると、各地の住宅展示場で、
『頭のよい子が育つ家』と銘打ったモデルハウスが、人気があるというのです。
そのモデルハウスの社長さんの話によると、
「言うなれば、サザエさん一家の家ですね。」
「仕切りや個室のない、昔ながらの日本家屋的な家です。」
社長さんは、有名私立中学に合格した家庭約200軒を調査したところ、
9割の家庭の子どもが、
子ども部屋で勉強していないことが明らかになったというのです。
そこで、家の中心にキッチンを据え、いつでもどこでも家族の顔が見えるように、
部屋の間の仕切りを取っ払った開放感のある間取りに、
『頭のよい子が育つ家』として売り出したところ、
売り上げが伸びたというのです。
「合格した子どもたちは、リビングや和室のちゃぶ台など、
家族とコミュニケーションをとれる場所で勉強しているんです。」
「家族との会話が、子どもの安心につながるのでしょうね」と、社長さん。
子ども部屋で勉強しないことが子どもの勉強のプラスになっている、
とは何とも逆説的ですね。

近年、我が子の問題行動(ネットによるいじめ、喫煙など)に、
「気が付かなかった」「知らなかった」という親が多くなったと言われます。
この原因は、何でしょうか。
私は、今の家の作りが個室重視の間取りであることも関係していると思います。
つまり、
家族がそれぞれの個室を持ち、
家族それぞれが自由ばらばらに過ごし、
家族共通のコミュニケーション(会話)がないのではと思うのです。

このように考えると、子どもに部屋を与えることが、
必ずしも、子どもにとってプラスになるとは限りません。
だからと言って、
「子どもの部屋をなくしてください」
「改築してください」と言っているわけではありません。

せめて、「一日に一度は、家族でコミュニケーションをとる時間を確保する」
「子ども部屋にテレビを置かない」「スマホは決められた時間の中で!」
「子ども部屋にはカギをかけずに家族が自由に出入りしてもよい」などの
きまりを作ってみてはいかがでしょうか。
                           
                             校長 堤 泰喜